PETRONAS 2012

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SFCT "Orienting Solutions 2013"

公開日記「そのままやっちゃん」から転載したものです。
朝食テーブルで
2013年09月19日(木)  朝から盛り上がるなあ♪

朝食テーブルにおなじみのメンバーたちが集まった。マーク&ジェニー、キルステン、ドミニク、スタヌス、そして初対面のスティーブさん。じゃ、写真撮るからと言ったら、キルステンが「ちょっと待って。はい、みんな日本式にピースしましょ!」って言ってこんなん撮れましたあ。南アフリカのスタヌスは意味がわかってなかったみたい(笑)。

一番奥に座っているのが、明日発表があるスティーブ・フラットさん。サイコロジストでSFにしてから面談がすごくうまくいくようになって、古いやり方をしている人たちにぜひ伝えたいと燃えている。Not-knowingスタンスがとってもお気に入りで、支援者の枠組みをクライアントに適用しようとすることに対しては思い切り批判的だ。それをいろいろ公式の場で強く発言しているので叩かれることもよくあるとのこと。“叩かれれば叩かれるほどうれしいんだよね”だって!かなりのファイターだね。

この後、Gale Miller(米)さんも来て、スティーブ(英)、ドミニク(ス)、ボク(日)の4人でSF談義がひとしきり盛り上がった。文化の違いを超えてSFが有用だという話をすると、思い切り安心感と可能性がひろがる感覚があるなあ♪

2013年09月19日(木)  アカデミックな場でも通用するように・・・

10か国以上から72名が参加した"Oriening Solutions 2013"大会が始まった。心理学や医療の研究者&現場の実践家、教育関係者、大学の先生等がマジョリティーだけど、ビジネス関係のコンサルタントやコーチもいる。6人がけの島を12個つくってぎっしり隙間がないくらいの大きさの大学の教室。大きなスクリーンが2つあって同じ画面が投影されるようになっている。そして、今日は30〜40分程度のレクチャーが10本ある。一つひとつのレクチャーが終わると5分程度のQ&Aがある。ワークショップではなく、学校の授業の雰囲気。懐かしいなあ。

ああ、しかし、英語が早くて、いろいろな訛りがあって、わかんねえ!!多分20〜30%くらいしかついてってないなあ。外国の大学で勉強してる人尊敬しちゃう。SOL国際大会だともっとわかるんだけどねえ・・・。だから今回は提示されたことを理解することを目的にせず、わかったことの中から役に立つものを探すことにした・・・・・ん?いつもそうか(笑)。

マークがオープニングトークでこの大会を企画した理由を話した時に、このパワポで言ったことが一番力がこもっていた。SFの特長を示した後で、それを打ち消すようにこの斜めの挿入句が出てくる。言う意図は、「SFを実践する時は、やさしく不知の姿勢(自分の考えを前面に出さない)で相手の良いところを見るようにするのがいいけど、アカデミックな世界(しっかり分析的に正誤の判断を下す)で、その姿勢をそのまま使うと、SFを知らない人の主張をそのまま受け入れて自分の言い分は言わないようなやり取りをしてしまうので、SFは何だかよくわからないものと思われてしまう。だから、SFを(実践ではなく)説明する時はしっかり主張できるようにしよう。そのための意見交換をしよう。」

確かにそれは大事だと思う。だけどそれは得意な人たちにまかせて、ボクの仕事はいいSF仕事をする実践家が増えるようにすることかなあ・・・

クリス・イブソンさん
2013年09月19日(木)  ミニマリズムの極致 Best Hope & Description

SFBTの実践および教育機関として有名なロンドンBRIEFのクリス・イブソンさんは、BRIEFの20数年にわたる歩みの中で、自分のたちが自身の実践をコンスタントに振り返ることを通じていかに不必要なものを捨ててきたかについて話してくれた。

そしてたどり着いた現在の極致は、Best HopeとDescription。最初に今日のセッションで何を望んでいるのか(Best Hope)と聞いて、あとはそれが実現したらどんな行動をとっているのかを描写(Description)してもらうことに専念する。そして、描写できればあとは本人がそれを実行すると信頼して、宿題やプランニングという形式に落とし込むことはしない。むしろ宿題やプランニングは実行を邪魔するとさえ考える。

あくまでもカウンセリングという文脈での話しなんだけど、人は望む未来とその中で自分がどのような行動をとるかが具体的にイメージできれば、それを実現しようとするという単純な図式に則った会話にこだわることの意義、効果は確実にあると思う。

ジャネット・バベラス博士のパワポ
2013年09月19日(木)  21秒でソリューショントークの基盤づくり

会話のマイクロ分析で有名なジャネット・バベラス博士のパワポには、はしっこにいつもこの2人の人間が交互に言葉を発する動くロゴマークがついている。発する言葉は赤い複数の線の点滅で表現されていて、彼女は言う。「私はこの赤い線について研究しています。頭の中で何が起こっているかには全く注目しません。」そしてスティーブ・ディシェーザーのビデオを分析してSFの効果がどのように会話の中で生まれるかピンポイントで示してくれる。彼女が使う分析道具によって、会話のやりとりが0.1秒単位でスクリーンに表示される。

「21秒でソリューショントーク形成」と題されたビデオの中で、スティーブのアルコール依存のクライアントとのセッションの出だしが面白かった。今日は何のために来たの?という質問に対して、今はお酒を飲まない努力をしてるところなんだという回答が返ってくる。それに対して「Mmmm,huh」というあいづちを返すと、クライアントが「だけど飲・・・」と言いかける。そこで「今は!?」と口をはさむと、クライアントが「そう、今は飲まない努力をしていてね」ってところに戻る。プロプレムトークに入る隙間を与えずに、会話が始まってから21秒で、ソリューショントークの基盤をつくってしまった見事な例というわけだ。スティーブは必ずしもいわゆる傾聴(途中で口をはさまずに最後まで聞く)なんてしていない!ジャネットはこうやって、高邁な理論ではなく、面談現場でどのような言葉のやりとりが実際に起こっているかをそのまま追うことで、ソリューショントークの実際を示してくれている。

ジャネットさんと
2013年09月19日(木)  我らカントリーピープル♪

ジャネットと懇親会ディナーで隣同士になって色々と話した。彼女はアメリカ人なんだけど長い間カナダ在住で、アメリカ人とカナダ人はいかに違うかを力説してくれた。簡単に言うとカナダ人は田舎の人の素朴な良さを持ち続けているのに対して、アメリカ人はやたらと自己主張して勝とうとする傍迷惑なヤツらだって話だった。お酒の勢いもあったと思うけど、もともと自分はアメリカ人だって思ってるから逆にそこまで強くアメリカ批判できるんだろな。カナダに対してはアメリカを薄めたようなものかってイメージがあったんだけど(失礼!)、独特のカナダ人魂があるんだって教えてもらえてよかった。

「ウチは農家でね。父は樵(キコリ)もしてたわ。」と言うので、「え、うちも百姓だったんですよ。母方の祖父は樵をしてたし。」って言ったら、"Yeah!!"って思い切り盛り上がった。ベン・ファーマンがこれからは都市化じゃなくて、村人マインドを大切にする時代だって言ってるんだって話をしたところまでは覚えてるんだけど・・・、あと何を話したかはワインを飲み過ぎてふっとんでしまったあ@SF村とナラティブ村の寄合い。

マイケル・ヤートさん
2013年09月20日(金)  吾輩は手動児である♪

J-SOLでおなじみのスウエーデン人、マイケル・ヤート。彼の苗字(Hjerth)の正確な発音は英語のyetに近いんだけど、日本耳には入ってこないんで、申し訳ないがずっとヤートと表記させてもらってる。初めて彼に会った2006年頃、彼は今よりも2kgくらい太っていた。実は2004年にストックホルムでSOL大会を主催した後に鬱状態になってしまい、その時に太ったんだそうだ。しかし、初来日した2010年頃から食事を含めて色々な健康法を実行して現在ではとても調子がいいとのこと。日本での体験はそういう健康状態に向かう途上で非常に役に立ったと喜んでいた。

彼は自分のことに関してどんどんカミングアウトしてくれる。今回の発表テーマは「ADHD(注意欠陥多動性障害)対応に有効なソリューションフォーカス」。実際自分もADHDであったという話から始まって、ソリューションフォーカスの考え方がADHDの人たちが現実対応するのにいかに役に立つかという話をしてくれた。彼は実際レクチャー中ずっと動きっぱなし。あれはあえてそうしたのかなあ?ボクも手を動かしてないとしゃべれない方なんで、多動児ならぬ手動児か(笑)。

2007年のSOL夏期大学でマチアスのコンステレーションワークで主役をやらせてもらった時に、(多分発達障害だった)父のことをテーマにした。彼はワーク終了後ボクのところに来て「なんだか君とは兄弟のような気がする」って言ってくれた。ボクも彼といると落ち着く。会話がはずむってんでもないんだけどね。なんだか面白い縁だなあ。

英国Essexのソーシャルワーカーさん
2013年09月20日(金)  現場の人に哲学も教えといたらよかったね!

このお二人は英国Essexのソーシャルワーカーさん。Marvaさんはアメリカ人で声がでかい。話の途中で何回も「あたしゃ出しゃばりアメリカンだからね」と笑いながら言う。きっとゴスペル歌ったら盛り上がっちゃうだろなあって感じの人。

哲学的な話が続いて頭だけが疲れていくような1日の中で、彼女たちの体験談はとてもわかりやすく、聴衆もよく笑い、マークが後から「こういう話だったら、もうちょっと早い時間にお願いすれば良かったね」なんて言ってた。

彼女たちは上から降りてきた方針でSFBT(解決志向ブリーフセラピー)の研修を受けて、これで仕事をしなさいと指示を受けたけど、数か月は混乱しっぱなしで大変だったとのこと。「利用者さんの家に行ってね、そこら中散らかってて、子供がうるさく走り回ってて、テレビもうるさい中で立ち話なんて状況でいきなり“あなたのBest Hopeは?”なんて質問したらどんな反応が返ってくるか想像できますよね(笑)?」というのが大ウケだった。SFのスキルを学んで、教科書通りやろうとしたらうまくいかなかったって話はよくあるけど、まさにその典型的なパターン。

こなれた形で応用できるまでに試行錯誤する時間がかかったけど、最後はとても役に立つ方法だってことは証明された。で、大事なのは、何があったらもっと短時間でそこまで行けただろうかって議論。彼女たちが言うには、最初の研修がスキルトレーニングに偏っていたので、もっと背景哲学を教えてもらっていたら、応用がきいたと思うとのこと。「この質問をしましょう」だけではなくて、この質問をすることにはこういう意図・意味がありますって説明があれば、いろいろな言い方を考えることができただろうってこと。SFはシンプルですよって見せるのはいいんだけど、そこにはどのような考え方が働いているか、少し抽象度を上げて適度に示す工夫は必要だなあ。

Dan Huttoさん、Brian Littlechildさん、マーク・マカーゴウ博士
2013年09月20日(金)
この3人の異分野コラボレーションが生み出した大会

Hertfordshire大学の哲学科教授Dan Huttoさん、看護福祉学科教授Brian Littlechildさん、そして我らがマーク・マカーゴウ博士。この3人が中心となって "Orienting Solutions 2013" は企画された。 一方的(上位下達式)なコミュニケーションではなく、双方向のコミュニケーション(discursive, interactive)が活かされるべき領域が社会のいたるところにあり、経験的には人はそれを知っている。しかし、世の中の決まりや仕組みをつくる人たちは、正しいことに無知な人々を導くべきという考え方にまだまだ縛られている。そこで経験的には既に十分証明されていることに対して、理論的哲学的バックアップをすることで社会を動かしていこうという運動的な意味あいもある大会だった。実際に医療・健康・福祉関連の仕事をしている人たちは、政策立案に携わる人たちがどういう考え方を採用しているかで、診断名やその内容、現場におりてくる予算や、立法の縛りなどが変わってくるわけだから、抽象度の高い哲学的な話でも現実的に重要なことだ。最後に登壇したラヤ・グルさんは、「世界は今SF的な考え方を・・・きっと必要としている!」と若干のためらいを含みながらも最後は言い切った。

でもね、哲学者がからむと話しの抽象度が高すぎて、ついてけねーって思うことが何度もあった。だから、SFコミュニケーションが実際役に立つっていう実践をしている人たちは、こういう議論の中のわかりやすいところだけをつまみ食いすればいいんだと思う。哲学は哲学が得意な人にまかせて、実践が好きな人は実践して、お互い交流しながら活かし合えるところを大事にしていけばいいんだよね。


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