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組織開発(OD)ワールドサミット
公開日記「そのままやっちゃん」から転載したものです。
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2010年08月21日(土)  ブダペスト到着

昨日はハンガリーの祝祭日で盛大な花火大会があったらしいが、ちょうどそれが終わった23時過ぎにホテルに到着。朝起きてみると窓の外はこの風景。ドナウ川沿いのマリオットホテルがODワールドサミットの会場だ。うん、いい感じ。

このサミットへの参加者リストをHPで見てみると、日本からはボクを含めて3人の参加者がいることがわかっていた。KawaguchiさんとNishikawaさん。アルファベットのままグーグルすると、NishikawaさんはODネットワークJAPANをたちあげた甲南大学の西川教授だということがわかった。で、事前にメールをしておいたら、昨日アムステルダムからの飛行機に乗るところでバッタリ!色々とお話しをうかがった。

ODは日本の大学でも教えられていた時期があったが、その後発展しなかったらしい。ある意味とても幅広い概念になってしまうので、焦点がぼけやすいのと、コンサルタントたちが独自の手法に特化してしまい、ODの概念の下にまとまった動きをすることがなかったからということみたいだ。ボクがとても勇気づけられたのは、西川教授と話していて、「利益や成果というのは、まずその組織のメンバーがいきいきと活性化していることでついてくる」と考えていいとわかったこと。ZACROSに関する今回の発表はまさにそういう内容だ。戦略やマーケティングの専門家からはともするとバカにされがちと伺ったが、これからはSF的戦略論やSF的マーケティング論も発展させてSFベースのODしませんか・・・と心の中で思った(笑)。大会中にそんな話もしてみたいな。

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2010年08月21日(土)  Cape Cod Model by Joe Melnick

ODWS大会前後にはマスタークラスというODの有名な専門家によるワークショップが7本開催される。ボクが名前だけでも知っていたのは、アプリシャティブ・インクワイアリーのDiana Whitneyだけだった。で、WS概要を読んでみると、このメルニックさんのがかなりSFと近いところがあるのと、ゲシュタルト・セラピーの専門家というのに好奇心をかきたてられたので参加。学生の頃ゲシュタルト・セラピーの本を読んでフリッツ・パールズのことを卒論に活かそうとしたり、IBDにつとめていた頃はパールズのような一見攻撃的ともとれるトレーナーのあり方にあこがれたこともあった。しかしメルニックさんの小論文を読むと、まずは相手の良いところを発見して伝えるという、とてもSFチックなやり方なので、ゲシュタルトがこの30年くらいの間にどんな進化をしたんだろうって興味がわいた。

で、今日出てみて思ったことは、SFの延長で今考えていることをそのまま探求していくことでいいんだなということ。メルニックさんによれば、パールズの時代は反体制、反権威主義的な姿勢を取ることに意義があったので、それが彼のセラピーにも反映されていたとのこと。そっかあ、時代の影響ってあるよねえ。今は温暖化など環境問題でグローバルな協働が求められている時代、生物多様性を守るのと同時に人間社会でも多様性を活かすことが求められる時代。ソリューションフォーカスしよ♪を合言葉に!

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2010年08月21日(土)  モニカさんとスベアさん

この二人とはピーター(ザーボ)のSFブリーフコーチングコースで知り合った。スイスのバーゼルには3回通ったっけ。モニカさんはその縁で2007年のSOLでの事例発表の準備を手伝ってもらったり、昨年のJ−SOL2で分科会をしてもらうなど色々なつながりが持てた。彼女はルフトハンザ航空のシステムズ部門グループ会社の社長で、その本社がブダペストにある。今夜は彼女のアパートに招いてもらって、スベアさんの手料理をいただいた。

スベアさんは南アフリカ出身で、自国とオーストラリアで活躍しているSFトレーナーだ。彼女は南アフリカの大変な状況の中で臨床の仕事をしていたので、重い内容の話しを聞く姿勢がすごくできている。アパルトヘイトが終わりをつげ、初めて選挙があった日のことをとってもいきいきと話してくれた。料理が得意らしく今夜も短い時間でサラダ、うさぎ料理、マッシュトポテト、トリ肉のカレー風味料理を手早く用意してくれた。美味しかったあ♪

こんな風に日、独、南アの友人がハンガリーでキャンドルディナーなんて、なんだか不思議な夢のような感覚だなあ。

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2010年08月22日(日)  ザ・SFCT

明日のプレゼンテーションの準備がやっと終わったので、マーク&ジェニーとキルステンに合流してビールを飲んだ。バカ話もしたが、結構シリアスな話しもした。ボクが腎臓摘出の手術をしてからは、毎日必ず「いつかは死ぬ」ということを意識するようになったと言ったら、キルステンもタイでTSUNAMIにさらわれそうになって間一髪助かった経験があるので、「私も同じだわ。」と言っていた。二人とも「だから本当に大事だと思うことをしよう」っていう意味でね。このメンバーがSFCTの中心だから「ザ・SFCT」だ。この大会でどれだけSFのことを皆さんに知らせることができるかなあ。

この後オープニングセレモニーがあり、色々な人がスピーチをした。IODA(世界組織開発協会)という団体に関わっていた人たちが中心になっているので、IODAの25周年記念も兼ねた大会になっている。4年の準備期間を経て実現した大会なので、大会会長がスピーチの中で「4年間も身ごもっていた赤ちゃんがやっと頭を外に出しかけたところのような気がします。」という例えを使って結構ウケたら、そのあとスピーチする人たちがみんなその例えを受けて、じゃあ父親は誰だとか母親は誰だとか、結構楽しそうにユーモアあふれるスピーチをしていた。こっちの人はそういうのが上手だよなあ。そして、船に乗りドナウ川を下りながらディナー。船の屋上デッキから両岸を見るときれいにライトアップされた古いビルがロマンチックな雰囲気をかもしだしていて素敵だ♪

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2010年08月23日(月)  OD博物館

いよいよ大会初日がスタートした。あいさつの後、OD博物館という展示を皆で見てまわった。大きな部屋を3つ使い、19世紀の終わりから現在までを3つの時代に区切って、社会現象とその時代に流行ったODの手法が、こんな手作りの展示で並べられていた。日本関連はやはりデミングからの流れでTOYOTAの改善手法が大きく取り上げられていた。「改善」という漢字がそのまま使われていて、トヨタ方式のインパクトの強さを物語っていた。ピーター・センゲの「学習する組織」に関する展示で印象に残る言葉を見つけた。

"People don't resist change. They resist being changed!"

「人は変化に抵抗はしない。他人から変えられることに抵抗するのだ。」

うん、納得。ベン・ファーマンのNIH(Not-Invented-Here)症候群の話しと共通している。自分の感覚もまったくその通り。今回発表させてもらうZACROSの事例の中でも、自分たちで発想したことで動いているからこそ現場の人たちがいきいきとしているのだということがよくわかる!

(ちなみにこの男性はやっちゃんではありません)

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2010年08月23日(月)  インスピレーショナル・リーダーたち

OD博物館の後は、全体会会場に戻ってパネルディスカッション。中央のステージを囲む面白いセッティングだ。円座にすることに意味をもたせたらしい。インスピレーショナル・リーダーたちと銘打たれていたが、あんまり有名な人たちでもないようだった。SFCTの仲間もあれはそれぞれの手法の第二世代で、創立者ほどの影響力はないようだと言っていた。AIのダイアナ・ホイットニーという名前を見たことがあるくらいで、ゲシュタルト、オープン・スペース、ワールドカフェ、TA(交流分析)、フューチャーサーチ、アメリカスピークスなどの代表は知らない人ばかり。

それぞれの手法の特徴を話したり、ステージの上でお互いの手法の位置関係を身体を使って現わすソシオグラムをしたり、趣向をこらしていたが、あまり面白くはなかった。ただ、思ったのは色々な手法があるけど、それを代表している人たちを見ていて、どれがいいとかこだわる必要はまったくなさそうだなあということ。Cross-fertilization(異種交配)というのが今大会の大きなテーマの一つだが、これからどんな交配が起こるか楽しみだ!

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2010年08月23日(月)  This is the Power of "SF inside"!

このフレーズはZACROSの事例発表のためのビデオをつくった時に味わった感動をそのまま表現したものだ。つくった自分としては思い切り思い入れがある!で、それはこちらの人々に伝わったか・・・

この大会の分科会は15会場で同時に開催される。そのスロットが5つあるので、75の分科会が開催されるわけだ。ボクも選ぶのにすごく苦労したが、結局はタイトルで自分に向いてそうかどうかをまず判断する。知ってる人かどうかも大きな要素だ。"Challenging to create an 'SF inside' Organization" というタイトルはSFというキーワードを知らなかったら、意味をなさない文章だし、Yasuteru AokiなんてSF以外の人は誰も知らない。さあ、何人くるんだろうと思ったら、6人だった。6人しか、とも言えるし、この状況でならまあ良かったんじゃないとも言える。ドイツ人2人、オランダ人2人、ベルギー人1人、ハンガリー人1人だった。これからドイツのシーメンスの研修をする予定だと言う人が、とても参考になったと言ってくれた。なかなかこれだけ取材&発表をさせてくれる会社はないから有難いとも。ルフトハンザのモニカさんは「相手を尊敬する文化がしっかり根づいていく様子がよくわかったわ。」と言ってくれた。

しかし、自分としては不完全燃焼だなあ・・・。これからこのビデオの日本語バージョンをつくって、CNPRももう少し掘り下げてみて、見た人がZACROSの人たちからインスパイアされて、自分の会社でもSFで何かいいことができそうだと思える作品にしあげよう。

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2010年08月23日(月)
分科会2 アプリシャティブ・インクワイアリーだが・・・

オランダはロッテルダムから来たシリーンさんの分科会。タイトルは「アプリシャティブ・インクワイアリー」だけど、副題は「共創する中で起こる実用的葛藤」。アプリシャティブ・インクワイアリーはただのHappy happy Happyメソッドじゃないのよというのが宣伝文句。ポジティブ系の手法に対する先入観を破りたいということか。会話をしている当事者に「言ってしまうとまずいと思って言わなかったことは何か」とか「それを言った場合に良い効果があるとしたら何か」等について、お互いに言わせるというもの。きっと現場でうまく使うと非常に効果があるだろうけど、下手をすると何だか思い切り葛藤をあおるような結果になりそうだ。同じような感想を持った人は結構いる。でもこれがまさに良かったという人もいる。

ただね、このシリーンさんがホントに人のことを怖がらない人なんだよねえ。誰にとでもすぐにうちとけるし、怒っている人にもすっと近づいていけそうに見える人。あとで聞いたらお母さんがそういう人だったそうだ。だから彼女が言う分にはこの横文字感覚のストレートなセリフまわしでもいいかもしれない。でもね、日本人だとこのやり方じゃ引いちゃうかもと言ったら、それなら日本人に合うように質問を言い換えてくれないかとリクエストされた。うん、こういう風に意見を交換するのがこの大会の目的だよなと合点。日本語の婉曲な表現を英語にしたつもりだけど、伝わったかなあ・・・

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2010年08月23日(月)  SFホームグラウンド

知らない人だらけの中でSF仲間に会うと、何だか家に帰ったようなホッとした感じがする。夕飯は来年のSOL国際大会主催チームのエニコ&モニカ組とパスタ屋さんで軽く済ませた。そしてホテルに帰ってくる途中でマーク&ジェニー、キルステンとバッタリ。で、歩いてきたらリトアニアのデイニウスたちがビールを飲んでいたので合流。

欧州人同士っていうだけで、お互いの国のことを少しは知り合っているのかなあなんて思ってしまうけど、もう何回も会っているけど彼らもお互い色々知らないことがあって「へ〜、そうなんだあ。」って言い合っているのが面白い。まあ、ボクも韓国、中国のことを聞かれても答えられないし、それが普通だよね。リトアニアは人口が300万人でも、国の政策により会社で働いているカップルが妊娠すると2人とも2年まで有給が取れるそうだ。そんな国があるんだねえ(英語の聞き間違いでなければ)。

こっちの乾いた空気にはビールが合うなあ。プロスト、カンパイ、チアズ、エチュ!

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2010年08月24日(火)  スーパーセッション「混沌から秩序へ」

第2日目の出だしはスーパーセッションと呼ばれる専門家による5つの分科会。オープンスペースのペギー・ホールマンさんの分科会に出てみた。混沌から秩序を生み出すプロセスに関する洞察について話してくれて概念は面白かった。話し方が何だか焦っているみたいで、今いち聞きづらかったけどね。これは自分もそうだから、正直あんなに沢山言おうとしなくていいんだなあと思った。

印象に残ったのは、創造的な混沌をつくりだすためには「何があるから今あるものが保てているのか」とアプリシャティブな質問をすること、混沌から秩序をつくろうとする時には意図と方向性(目的)を意識し続けること、多様性を大事にすること、起こることを歓迎すること、等々の言葉。秩序を創りだすところではコントロールしなくていいのかという質問に対して、「コントロールすることによってつくったものは本当の秩序じゃない、内側から湧きおこってくるものが真の秩序だ」という言葉も力強かった。

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2010年08月24日(火)  分科会:「バーチャルチーム・ビルディング」

オーストリア人クリスティーナ・ワウラさんの「バーチャル・チーム・ビルディング」。顔を合わせないチームの活性化がテーマだというので、今どきまさに必要なテーマと思い参加。直接合うことがほとんどなく、メールやスカイプ、電話などでしか連絡をとれない関係でつくるチームを活性化するのに何か特別な方法はあるんだろうか?彼女のビジネスパートナーで上司のマークさんは、いつも一定のところにいないで色々なところからメールをよこすけど、チームとして快適に成立しているとのこと。うん、ウチの会社もある意味そんな感じだ、とこれを書いていて思った(笑)。

チームをうまくいかせるコツとして、「オープンドアポリシー」、「アップデイト」、「バーチャルコーヒータイム」、「孤独をいやす」、「成功を祝う」の5つをあげていた。バーチャルコーヒータイムが面白いと思った。ようするにお茶やお菓子がある状態で(スカイプ)雑談したいんだよねえ。もちろんバーチャルBARでもいいだろってコメントも出てた(笑)。

この分科会に出てよかったのは、SFアカデミアはバーチャルな部分を活用できるなって思えたこと。フェイスtoフェイスはもちろん大切なんだけど、今までちょっとそれにこだわりすぎていたかも。SFバーチャル酒盛りなんてのもいいかも。みんなそれぞれ自分の好きな酒を手元において、色々な話題で好きなことを言い合う。眠くなった人はすぐ寝れるようにパジャマで参加するのもいいよね。

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2010年08月24日(火)
分科会:「戦略的イラストとビジュアル・プレゼンテーションの技」

講師のサビーン・ソーダーさんはドイツ人で照明デザインの専門家。パソコンはもちろんMAC。知的で魅力的な女性だ。この分科会の名前は仰々しいけど出て良かったのは、○□▽―でほとんどのものは描くことができると聞いて、絵を描くのがとっても気楽になったこと。で、全員に明日の予定をイラスト入りで描きましょうという課題が与えられた。ボクの作品はこれ。

1日のタイトルは"Cross-Fertilization Day"。明日の大会のテーマがこれになっている。異種交配のイメージをクロスする線でだして、その結果いいものが生まれているのは丸に線をあしらって光っているように描いた。それから朝のカリビアンダンスに参加しているイメージを○▽と線であらわした。「境界線を越える」というテーマのセッションがあるので、二重線が壁で双方から線が貫通した図になった・・・、やっぱりなんだか言葉で説明するのはまだるっこしいね。とにかくこういう絵を○▽□―だけだから気楽に描けると思える効果は大きかった。楽になるとそこにさらに工夫を加えたくなるんだよなあ。

人は肯定された時に変化の余裕を持つ!

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2010年08月24日(火)
分科会:「バーチャル・オーガニゼーションを機能させる」

Radical Inclusionというバーチャル会社のリーダー、Holger Nauheimerさんという人が実際にバーチャルで、つまり大会の現地ではなく遠方(ドイツ)にいて、パートナーのマリーさんはカリフォルニアにいて、プダペストのセミナー室と三地点をスカイプでつなぎワークショップをした。途中接続が悪くなり、かなり中断するトラブルもあったが、Holgerさんはまったく意に介しない様子で、バーチャルにはこういうトラブルはつきものだから第二第三の手を考えておこうねえと軽くスルーしていた。いちいち接続の悪さに腹をたてていたらバーチャルカンパニーはできないと身をもって体験してきたそうだ。バーチャルとリアルはまったく違うものであって、比較すべきものではないというスタンスがはっきりしている。

びっくりしたのは、マリーさんはEmailは使わないのだそうだ。仕事の連絡はすべてクラウド上で行うとのこと。いつまでに何をするというのをお互いに確認できる場所をインターネット上につくって、そこを定期的に見ることを約束しておくので、メールのタイミングにまどわされずに自分のペースで仕事ができるとのこと。それは素晴らしいけど、Holgerさんはマリーにメールで連絡が取れないっていうのを少しうらめしそうに言ってたように聞こえたなあ。

う〜ん、なんだかあまりそそられなかったなあ。バーチャル・カンパニーを成立させるには、かなり大胆な割り切りと自己主張が必要なようだ。逆に言えば、相手にあまり遠慮せずにものを言う場をつくりやすいのかも。いずれにしろ直接会わずに何かをすすめていく必要は絶対増えるはずだから、割り切りのいさぎよさも学ぶべきところなのかなあ・・・

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2010年08月24日(火)  日本人グループ@ODWS

ドナウ川の向こう側に沈む夕日を背にして日本人グループ@ODWS勢ぞろい。事前にWEB上の参加者リストで甲南大学の西川先生は確認できたので、メール交換していたが、あとの3人の皆さんはここで初めてお会いした。組織開発では有名な日本のH社の皆さんだ。ボクと西川先生とKさんはほぼ同年代。ビールを飲みながらここに来るまでの経緯やこれまでの経歴などを披露し合って、楽しい時間だった。もう少し時間があれば良かったんだけどなあ、それぞれ次の予定があって短い時間でおひらきとなった。

2014年には西川先生がホストとなってODの国際大会を日本で開催するそうだ。今から準備が大変だろうなあ。J−SOLは規模もそんなに大きくなかったし、大会公用語は日本語だし、海外から来る人も数人のゲストだけだったけど、ODWSのような大会を日本でやるには相当な数のボランティアが必要だと思う。今の日本で組織開発という言葉にどれだけの人が反応するんだろう・・・

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2010年08月25日(水)  境界線を越える儀式とは!?

今日のテーマはCROSS(越える)らしい。「境界線を越える儀式」というプログラムの後、CROSS交配セッションの予定になっている。まず午前中の「儀式」というのは、この短冊に「あなたは何をやめると決めましたか?」という質問への答えを書いて、棺桶にいれて葬るというもの。重苦しい葬送曲に合わせて喪服の4人の男性が棺をかついでゆっくりと移動する演出はちょっとやり過ぎじゃないのと評判が悪かった。でも、まあ意義をくみとってあげようということで、答えを考えてみる。2つでてきた。

一つは「ミッションと連動しない仕事の仕方はしない」。自分の選んだ方向性を常に意識することで、土台の部分での迷いがなくなる分だけ自分は楽になるし、その分いい内容の仕事ができると思う。もう一つは「一人で仕事をしない」。鼻と鼻で起こることの重要性は言うまでもない。ODワールドサミットでマカーゴウ博士はNarrative Emergenceという用語を提唱した。対話をすることで生まれてくるものを大事にするという手法に共通していることを示す概念用語だ。マークはこういうの考えるの好きだ。さすが元物理学者。

「あなたは何をやめると決めましたか?」という質問は、あなたはやめなければならないどのようなひどいことをしていたのですか?という意味にとれるので、SF的な発想では使わない(少なくとも今朝のようにいきなりは)質問だけど、受け取る方がSF的に受けて、なぜやめなければならないかではなく、やめてその代わりにどうするかを話し始めると、面白い発見があるし役に立てられるね。

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2010年08月25日(水)  Cross-Fertilization(異種交配)セッション

お昼からはCross-Fertilizationセッションだ。8つの営利・非営利組織の人たちがクライアントとして実際のビジネス上の課題を持ち込み、大会参加者がチームをつくってアイデアを出し合い異種交配、つまり違う手法をうまく織り交ぜながら解決提案をしようというもの。チーム同士のコンテストとなり、勝者には商品授与もあるというゲーム的には面白い展開。この写真はウチのチームの提案を南アフリカの女性が発表しているところ。やっちゃんは模造紙掲示要員。

このCross-Fertilizationという言葉を初めて聞いたのは、19年前NLPを勉強しにカリフォルニアに行った時。ずっとセクシーな言葉だなあと思い続けてきた。以前自分の死亡記事を書くというエクササイズをしてみた時、「異種交配組織開発で新しい時代の組織開発の道を切り開いた人」と書いたらとてもしっくりきた。そんなこともあり、今回のODサミットに来たかった一つの理由はこの異種交配が大会テーマの柱として掲げられていたからだ。違うもの同士がすれ違ったり闘ったりするのでなく、交配する・・・しびれませんか!?

で、ボクはDigital RealityというIT会社のトップ3人が来た分科会に参加した。クリエイティブであることが命の業種だけど、同時に期限までに予算内でというマネジメント力も要求される。それをバランス良く最大限に満たすにはどうしたら良いかというのが投げかけられた質問。うちのチームの提案は勝つことができなかった。残念。それにしても、リアルなクライアントでワークショップをやるってダイナミックだなあ!

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2010年08月25日(水)
酒、メシ、アワード、エンターテインメントそしてダンス♪

今夜がある意味最高潮ってところになるのかな。テーブル着席ディナーで、美味しい料理を食べた後、アワードで色々な人を顕彰して、地元の民族舞踊のエンターテインメント、そして最後はダンスという、ある意味こちらではお決まりの流れ。IODA会長のUlla Nagelさんはさすが欧州人と言う感じでロングドレスを着こなしてエレガントに褒賞の儀式を仕切っている。

しかしなあ、まだ自分がこのコミュニティの一員になっているという実感がないから、ちと寂しいなあ。でもね、マーク、キルステン、モニカなどSFのメンバーで一つのテーブルにすわっていたので、楽しく騒いで、踊った!

もしこれから自分が組織開発の分野で世界的に名を残すような仕事をしたら、ここに戻ってくることもあるかもしらんなあ。CNPR(Chain of Natural Positive Response)を組織発展のキーエレメントとして位置づけて、それが起こるための要件を研究し、その要件を満たす方法をクライアントとの対話の中でつくりだしていく。それが他の手法に比べてマイナスの要素が少なく、エネルギーが自己増殖的に長続きするということが世界各地の多様な文化の中で証明されていき・・・

なんてね、夢物語・・・の始まりです。

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2010年08月26日(木)
Itay Talgamの「コンダクターに見るリーダーシップ論」

こんな面白い(笑えてしかも内容がしっかりある)講演を最終日に聞かせてくれるというのは、大会の演出としては素晴らしい。昨日帰ってしまった人も結構いるけど、最後まで残って得したと思えた。イスラエル人Itay Talgamさんはバーンスタインのところで指揮者としての修行をしていた音楽家だったが、現在は音楽活動だけでなくリーダーシップ関連の講演や研修もてがけているとのこと。

色々な指揮者の特徴を本人のビデオクリップを見せながら解説してくれる。指揮者はまさに楽団のリーダーなわけだから、組織のリーダーとしての悪い見本も良い見本も沢山ある。まず見せてくれたのはイタリアの指揮者、深刻な顔をして目を閉じ一人の世界に入っている。タクトの振り方はとても大げさ。この人は「指揮者は孤独である」という言葉を残したくらいなので、奏者への信頼がなく厳しい指示命令しかしないタイプ。結局楽団から三行半をつきつけられた。カラヤンは明確な指示をあえて出さないので、奏者の側から想像力を駆使しなければならなかった。それがかみあわない場合はひどい演奏も結構あったそうだ。Seiji Ozawaは出てくるのかなあと期待したけど出てこなかった。もっとも面白かったのは最後に見せてくれたバーンスタインの指揮ぶり。曲が始まるとすぐにタクトを脇の下にしまって、顔の表情だけで楽団員とコミュニケーションをとりながら楽しく小躍りしている。Talgamさんは人とのコミュニケーションが好きなタイプだから、こういう師匠を選んだんだろうなあ。

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2010年08月26日(木)  Dialogue & Action

大会副実行委員長のピーターさん。重要なことを語るにしても、単純なお知らせにしてもユーモアあふれる語り口でエンターテイニングな説明をしてくれる。あいさつした時にHP上でビデオを見たよと言ったら、あの時の方がいい男だったでしょだって。たしかにHPのインタビューの時よりも太ったかも。

大会の標語は"Dialogue & Action"でロゴと一緒にあちこちに登場する。「対話と行動」ということだけど、その趣旨は?「ODに関心のある皆さんなら『対話』は今まで様々な大会で経験していますよね。そして対話の後の気持ち良さを持ってかえる。だけど2〜3日すると毎日の忙しさの中ですっかり忘れてしまうってことが多くないですか?今回は対話を楽しむことで終わるのでなく、その後の行動に結びつけましょう。」ということだそうだ。

ボクが持って帰ってすぐに行動に結びつけたいのは、CNPRの実践理論化、SFアカデミアの柱を言語化する作業。これは一人でなく色々な人との対話を通してすすめよう。

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2010年08月26日(木)  ルフトハンザでコーチング!

ブダペストの一角に、東欧のシリコンバレーとモニカが呼ぶ地帯があり、大学やIT企業が広大な敷地の中で新築の素敵なビルの中に並んでいる。大会の最終セレモニーは欠席して、モニカさんのルフトハンザシステムズに来た。

社内のコーチおよびコーチングに関心がある人たちのためにデモ・コーチングをするための訪問。集まった12名のうち8人はピーター・ザーボからSFコーチングの訓練を受けて、社内コーチの資格をもらったばかりとのこと。ただコーチングを受けることに対する抵抗、自分は助けを必要としている人間に見られたくないという抵抗がまだ社内にはあるので、コーチングは自分を能力の低い人間に見せることもないし、実際役に立つというところを見せたいという要望。僕が1セッション、南アのスベアさんが1セッション。それぞれ40分づつくらい。僕はアーノルドさんというとても前向きな人が相手で、気持いいコーチングができて、本人も喜んでくれた。その後の休憩中に、このセッションのおかげで社内の人に対する信頼がグッと増したとモニカに言ってきた人もいたとのこと。メンバーにもよるだろうけど、社内公開コーチングは組織文化を変える重要な機会になるだろう。

この写真は帰りに会社のロビーで撮らせてもらった。会社のあちこちに社員が撮った写真が飾ってある。旅行中のスナップもあれば、アート作品のようなものもある。これはプロペラ機の翼に上半身裸の男性がすわっているところ。モニカさんのもっともお気に入りの”セクシーな”写真とのこと。

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2010年08月28日(土)  ビヨルンのミッション

昨日今日はフランクフルト郊外のキルステン自宅近くのホテルでSFCTの理事会および年次総会。実は日本支部をつくることに関して意見の相違があり、日本支部をつくるのはもう少し先になりそうだ。SFCTは’InterAction”という素晴らしい機関紙を年に2〜3冊発行しているのだけど、それを邦訳するコストはとても高くつくので英語圏の人たちに対するのと同じサービスでは日本語の会員制度がまわらない。そこで独自の方法にしたいのだが、そのあたりの合意が難しい。残念だけど、日本でもう少しソリューショニストの世界を広げてからじゃないとSFCTを活用するのは難しそうだ。

そんなことが早いうちにわかってしまったので、会議にはあまり身が入らなかったが、懇親会でこのビヨルンの話しを聞いたのがとても面白かった。彼はスウエーデンの貧しい地域に生まれ育ったので、まわりに犯罪に手を染める人が沢山いたらしい。だから小さい頃の知り合いは刑務所の中というのも珍しくないそうだ。スウエーデンと言えば高福祉国家というイメージなので、こういう話しが出てくるとはまったく期待していなかった。で、彼は就職支援の仕事をしているので、犯罪歴がある人の相談も結構うけるとのこと。彼はそういう人の話しを本当に親身になって聞けるようだ。そういう人を相手にする時は、もし自分がちゃんと話しを聞いてあげられないとまた同じ犯罪が繰り返される、逆にちゃんと話しができれば、この人はまっとうな世界で頑張れると思うことで自分を鼓舞するとのこと。この温和な人の中にこんな力強さがあったんだあ!!!


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